地方自治体が疲弊…ふるさと納税ブームで高級品合戦が負担に|自治体ニュース|ふるさと納税のことなら「ふるさとタックス地域版」



ふるさとタックス地域別版ロゴマーク





トップページ » 自治体ニュース » 地方自治体が疲弊…ふるさと納税ブームで高級品合戦が負担に

地方自治体が疲弊…ふるさと納税ブームで高級品合戦が負担に

増田寛也前岩手県知事が上梓した『地方消滅』(中公新書)は累計20万部を突破し、政府関係者や地方自治体職員の間で話題になっている。
地方の衰退は政府が喫緊に着手しなければならない課題となり、第二次安倍改造内閣では幹事長という要職にあった石破茂氏を地方創生担当大臣に就任させるといった力の入れようだ。

しかし、活力を失った地方都市は簡単に蘇らない。地方都市は産業もなく、若者がどんどん転出している。残されるのは高齢者ばかりで、これでは手の打ちようがない。人口が減少し、企業が撤退すれば、地方自治体の税収はおのずと減ってしまう。そこで考え出されたのが、ふるさの納税制度だ。

2008年にスタートしたふるさと納税は、自分が居住していない地方自治体に住民税の一部を寄付できるというもの。ふるさと納税をすると、所得税や住民税が控除される。それだけではない、納税額によっては地方自治体が特産品を納税者に贈呈するといった特典もつく。

「東京や愛知には大企業が多くあり、法人税で潤っている。他方で、地方都市は多額な法人税収が期待できない。それにも関わらず、地方都市は進学や就職を機に若者を都会に取られてしまう。地方都市にとっては『地方で育った若者たちが郷土に戻らず、地方は単なる人材の供給地なのか?』といった不満がありました。そうした不満を解消するために、ふるさと納税が発案されたのです」(総務省幹部)

ふるさと納税制度の導入を巡っては、石原慎太郎都知事(当時)をはじめとする大都市の知事・市長からは反対も強かった。

「法人税収で潤っているのが東京都や愛知県ぐらいだったので、多数決でふるさと納税の導入が決まりました。とはいえ、導入当初のふるさと納税の総額は70億円。納税者は全国で3万3000人しかいませんでした。これは微々たる数字でしかなく、次年度は導入時の話題性や新鮮味もなくなり、納税額は65億円に下がった。徴税コストを考えると、このまま納税額が下がれば引き合わなくなる。一時期、総務省内でも『このままでは、ふるさと納税は続けられない。廃止した方がいいんじゃないか?』という話も出たほどです」(前出・総務省職員)

2011年に発生した東日本大震災の復興を何かしらの形で応援したいという人が、ふるさと納税を活用して岩手県・宮城県・福島県などに納税。ふるさと納税が注目されるきっかけになった。くわえて、昨年頃からふるさと納税を取り上げる本がベストセラーになり、テレビでもふるさと納税が紹介されるようになる。注目が集まることで、納税者・納税額が急増した。

こうした背景から、昨年度のふるさと納税は総額130億円、納税者は10万6000人にまで増加。さらに安倍政権が進める地方創生とも相まって、2016年から制度が拡充されることが決まっている。

特典に費やされる納税金

しかし、ふるさと納税ブームは新たな問題が発生させた。それが納税者に贈られる特典の高級化だった。

従来、ふるさと納税されたお金は、道路や水道の整備、高齢者福祉や育児支援などの行政サービスに使われる。ところが、特典が高級化してしまったことで、ふるさと納税のお金はプレゼント代に費やされてしまう。これでは、せっかく寄付してもらった意味がない。

地方自治体によっては、ふるさの納税の特典は地元の産品を買ってもらっているのと同じあり、地場産業の振興や雇用創出につながっている。だから、それだけでもふるさと納税には経済効果があると主張する地方自治体もある。

しかし、ふるさと納税の特典の高級化は、地方自治体間の消耗戦・チキンレースといった様相になっている。こうした状況に、「ふるさと納税は単なるプレゼント合戦と化してしまい、本来の趣旨から逸脱している。地方の活性化に寄与していない」と警鐘を鳴らす有識者も少なくない。

ふるさと納税の理念を考えれば、そうした指摘は地十分に理解できる。それでも政府に地方活性化の妙案がないだけに、地方自治体も背に腹は替えられない。豪華プレゼントでふるさと納税を増やそうとする作戦は、過疎が加速して打つ手のない地方自治体にとって残された唯一の策なのだ。

奇しくも、今月5日に総務省は人口移動状況を発表。東京圏は19年連続の転入超過で、東京一極集中化は進んでいることが明白になった。
“地方創生”を掲げる安倍政権は、消滅の危機に直面する地方の衰退に歯止めをかける政策を打ち出せるのか?

出典元はコチラ
特典で選ぶ
特集から選ぶ

ランキングで選ぶ
使い道から選ぶ


LINK

  • 宅配クリーニング
    宅配クリーニングのラクリアは、忙しくてクリーニングに行けない方に安心してインターネットで、クリーニングをご利用頂きたいという一心で、運営しております。
    www.raclear.net/